私たちは生き、働き、人々と相互に触れ合っているときに問題が起きる。
①で述べたように、だからこそ、一日をとおして必要に応じてセルフチェックを行う必要があるのだ。
そして、これを行う一番のタイミングは、自分の感情が脱線しているときである。
これは慣れるまでは容易ではない。
しかし、「心の平安の秘訣は早期発見」である。
否定的な考えは発見が早ければ早いほど対処も早くできるのだ。
また、「隠れている欠点」は見つけようとしなければ、一生自覚できずに、人としての成長はストップしてしまうだろう。
私たちが恐れ、恨み、罪悪感、後悔、自己憐憫などを感じたときは、人生のどこかが故障しているサインである。
感情の痛みは、身体の痛みと同様だ。
身体に障害があるから身体の痛みを感じるように、感情面で不具合があるからこそ、感情の痛みが生じる。
従って、不具合が見つかったら、できるだけ早く修正する行動に取りかかるのがベストだ。
感情の乱れ(本能の誤用)に気づいたら、ただちに自分を見つめよう。
もし心が苦しいならば、きっかけは外からであっても、自分の中で生じている心の傷なのだ。
そして、人生は「思い通りにならない凸凹道」があることを再認識しよう。
※コラム「祈り方」参照
セルフチェックを実践すると、「性格上の欠点として染み付いている、"古い考えや行動"」へ後戻りさせる自分自身に気づける。
気づければ、あなたは新しい生き方を目指し、あらゆる問題の根源にアプローチを続けることができ、古い精神的な習癖に屈しなくなっていけるのだ。
以前にも述べたが、自分の人生の真実はいつも自分で分かるとはかぎらない。
だからこそ、相談相手(話せる相手)をたくさん持ち続けることが大切である。
それは決して、相談相手にいつも世話になろうという、「不健全な姿勢」ではない。
自分の問題は、巻き込まれていない"周りの人"の方が先に気づくことが多い。
だからこそ、解決困難な問題は、第三者の力を借りよう。
そのうえで、心の問題が取り除かれるように、自分自身で取り組んでいくことが重要である。
人間は失敗を重ねて成長していく。
生きていくうえで、誰かを傷つけてしまったら、私はすぐに謝れる人間でありたい。
ただ、自分側の過ちが見出だせなかったら、謝っても真実味のない言動で終ってしまうだろう。
しかし、人を傷つけた自分側の原因に気づければ、心から相手と交流できる。
人間について研究する偉大な学者のなかには、人格は100日間の訓練で変更可能であると教えている。
つまり、人格は「100日間あれば変えられる」と、考えても差し支えがないだろう。
自分が獲得したセルフチェック方法、セルフコントロール術を、毎日労を惜しまずに使い続けた人こそが、大きく変化していくのである。
昔の病みきった私は、自分がこんなに変化し、成長できるなんて夢にも思わなかった。
ただ、今の私は断言する。
過食してひきこもることしか出来なかった、20年前の自分と、今の自分の内面は、明らかに別人格だ。
以前と比べたら、本当に生きやすい毎日だから…