「なんでこんなひどいことをいうんだろう？」
「なぜ、この人は煮え切らない態度でいるのだろう？」
「わたしは、どうしてないがしろにされているのだろう？」
人間関係で起こるさまざまな感情は、
とても大事なことを伝えてくれるメッセージだと思うのです。
ひどいことをされている、と感じるとき、
相手の煮え切らない態度にイライラするとき、
自分が尊重されていないと感じるとき、
わたしたちは、どうしても「相手に理由がある」と感じ、
相手の気持ちを知りたいと望みます。
でもそれは、仕方のないことだとも言えます。
わたしたちの目は、わたしたちの外側しか見えないようにできているからです。
『奇跡のコース（A Course in Miracles)』では、
「知覚できるものはすべて、エゴの幻想である」と教えています。
わたしたちは、残念ながら、目に見えるもの、感じるものは
わたしたち自身の思い込みを映し出しているにすぎないというのです。
つまり、
わたしたちが、相手の気持ちを探るとき、
わたしたちは、単に自分自身の気持ちを探っているに過ぎない、
ということです。
「ひどいことをいう相手」には、
いい人にみられたいがゆえに、ひどいことを言われることをゆるしている、
自分自身に対してひどい自分を、
「煮え切らない相手」には、
煮え切らない相手に、いらだちながらも、
立ち去ることも、許容することもできずにいる煮え切らない自分を、
「ないがしろにしている相手」には、
ないがしろにされながらも、相手との関係が壊れるのをおそれるあまり、
自分自身のきもちをないがしろにしてしまっている、自分を。
わたしたちは、「相手」という鏡の世界を通して、
自分自身を知るということを繰り返しているだけだと思います。
鏡の中の人物が、
あなたに刃物を向けていたとしたら、
拳を振り上げていたとしたら、
足がすくむ思いがするに違いありません。
鏡に向かってなんとかしたいと思う気持ちも、とてもよくわかります。
でも、思いだしてみてください。
「ワンネス」という言葉であらわされるように
わたしたちは、ほんとうは、たったひとつの意識を生きています。
わたしの世界には、わたししか存在していないし、
あなたの世界には、あなたしか存在していません。
あなたが、凶器を手放したとき、
あなたの前から凶器が消え去るでしょう。
そして、あなたが、拳を下げたとき、
あなたの目の前の拳は下げられるでしょう。
あなたが創る現実が、あなたの望むものでありますように。
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