新しい年を迎えるこの時期、環境が変わるという人も多いと思います。
人は何回くらい、新しい環境に変わるのでしょうか?
入学、進学、就職、新しい部活や趣味、引っ越し、結婚……
スーッと溶け込んで行ける場所、時間がかかったこと、
ときには上手くいかなかったこともあるかもしれません。
上手くいっているときは気にもならないことですが、
上手くいっていないように感じていると、
憂鬱に感じたり、休みたくなったり、
逃げ出したくなることさえあるでしょう。
生まれてから死ぬまで、おなじ環境のままという人はいません。
これまでも、これからも、だんだんとゆっくり変化するのか、
ガラッと急に変わるのか分かりませんが、変わっていくことでしょう。
私はこのところ、朝5時に起きてウォーキングをしています。
今日は快晴で空はどこまでも青く、
見つめていると吸い込まれるようで、とても綺麗に見えました。
ウォーキングをはじめて、ある変化が起きたのです。
それは何日くらいになった頃でしょうか?
だんだんと変化が出てきたのです。
こないだまでは5時55分に目覚ましのアラーム音で起こされていましたから、
およそ1時間の早起きです。
あわただしい朝の1時間は誰にとっても、貴重なものです。
はじめのうち、のそのそと起きて、目をこすりながら出かけていました。
新しくはじめたことですから、早起きして出かけても、
その間アタマはボーっとして何も考えていないような状態です。
とりあえず動いて、時間が経って、移動して戻ってくる。
この頃は「何も考えない、空っぽの時間も貴重だな」
という風に思っていました。
そして最近になり、変化が訪れました。
だんだんと、慣れてきたようなのです。
ある日、歩き出してすぐに
「今日はアレがある日だな」
「○○はどうなったのだろう?」
なんて考えだしていたのです。
5時おきに慣れたということもあるでしょう。
あるいはウォーキングにも慣れたのかもしれません。
新しい出来事、新しい習慣に適応しはじめたのでしょうか。
ただ、動く。
ただ、時間が過ぎる。
こうしたこととは明らかに違います。
深呼吸をしたり、考え事をしたり、腕や首を回してカラダをほぐし、
吸い込まれそうな青い空や遠くの山並みを楽しんだり、
まぶしい朝陽に目を細めたり……
ふと考えてみると、このようなことは忘れがちだけれど、
たくさんあることだと思うのです。
自転車に乗るとか、泳ぐとか、
スキーやスノーボードなどのカラダで慣れていくこと。
掛け算九九や漢字の書き取りのように、
意識して繰り返して覚えていくこと。
新しい学校や部活動、就職や引っ越しなど、
自分をとりまく環境そのものに適応していくこと。
はじめはバランスを取ることだけで精一杯だったのに、
いつの間にか音楽を聴きながらだったり、
友達と話しながらでも進んでいけるようになったり……
緊張しっぱなしの日々を過ごしていたけれど、
親しく話す人ができたり、誰にも聞かなくても上手にこなせるようになったり……
人はそうした経験をたくさん持っているのだと思います。
ただそうしたことは、忘れやすいもの。
どうしても近くの困っていることの方に、ピントが合ってしまうものです。
持っているはずの上手くいった経験を、
しまいこんであるクローゼットから取り出すように探すことができたらいいのではないか?
そう思うのです。