「自分と価値観の合わない人の話を、興味を持って聴けない。」という悩みがあった。
定期的にコーチングを受けながら「本当に自分が大切にしていること」や「自分は何者か」のようなテーマの内省を繰り返すと、だんだんと自分が大切にしている価値観が見えてきた。
自分が大切にしている価値観がはっきりしてくると、それとは合わない人の話への好奇心が薄れていったり、似ている価値観を持っている人の違う部分が認められなかったりする。
同時に、現実とのギャップも見えてきた。
価値観に沿った行動をとろうとすると、時に壁にぶつかる。それでも前に進もうとすると、もう一人の自分との葛藤が始まる。
思い切った行動を取り過ぎて、危険な目に合わないように、自分を守ってくれるもう一人の自分。
「失敗するかもよ。」
「君が我慢すれば丸く治まるよ。」
「お前には無理だよ。」
もう一人の自分と向き合う時間は苦しい。
誰のせいにもできないし、勇気を振り絞らないと前に進めず、同じところをグルグル回る。躊躇したり、へこたれながらも前に進んでいくと、やがて少しずつ周りの風景が変わって見えてきた。
趣味で、仕事で、ネット上で、「この人、合わないなあ。」と思っていた人の中に、自分と同じように、いや、それ以上に自分の価値観と向き合い、もう一人の自分と葛藤している姿が見えてきた。
たとえそれが、自分の価値観とは合わない話であっても、その人が大切にしている価値観と向き合い、もう一人の自分と葛藤する姿は格好いいし、美しいし、愛おしい。
そして、その人の言葉の奥に自身の価値観と向き合う姿が見えてくると、好奇心が湧き上がってくる。