分析とは、真実を追求するプロセスである。
真実は、私たちを問題から解放してくれる。
故に、自分の心が迷って苦しい時、自分自身を分析して、真実を探し当てることが重要なのだ。
私たちはゆがんだ感情のままだと、本来のコントロールを失った行動をする。
そして、他人を傷つけて衝突する。
自分のことも傷つける。
そのため、自分の中にある問題の原因を明らかにする必要があるのだ。
問題は、「問題の本質を理解するまでは解決できない」ということを覚えておこう。
また、自分の問題の本質は、「自分一人の力だけ」ではなかなか理解できないものである。
スポーツ選手が、コーチやトレーナーを通じて、自分の状態を把握して、コンディションを高めるのは同様の理由からだ。
心が苦しいと自覚した人が、わざわざ、カウンセラーなど第三者の人と対話して、自分のことを見つめて分析する理由がここにある。
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人は迷って苦しい時、「自分という本」の中に答えがないにも関わらず、ひたすら自分の本だけで正解を探し求めている。
こんな時こそ、素直に自分の本を閉じて、別の本を頼って手にとってみよう。
自分の本に載っていなかった答えが、別の本から見つかるかもしれない。
「誰かに相談する」とは同じ様な意味があるのだ。
自分を分析して、問題から解放してくれる「真実」を見つける。
そのために、誰かに頼ってみる一歩を踏み出すこと。
自分が信じてみようと思えた人を信頼して、勇気を出して話をしてみる。
そんな交流から、力や温もりを感じられた時、その人は新たな成功体験をしたと言えるだろう。
やっぱり、人は、一人では生きていけない生きものだから。
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『東京大学の熊谷晋一郎准教授は、「健常者は何にも頼らずに自立していて、障害者はいろいろなものに頼らないと生きていけない人だと勘違いされている。けれども真実は逆で、健常者はさまざまなものに依存できていて、障害者は限られたものにしか依存できていない(中略)実は膨大なものに依存しているのに、「私は何も依存していない」と感じられる状態こそが、“自立”といわれる状態」(熊谷晋一郎,2012)とし、自立は、依存先を増やすこと、希望は、絶望を分かち合うこと、だとする。(中略)
ひきこもることは、頼ることができなかったひきこもり当事者が、取らざるを得なかった手段である。』
※ひきこもり人権宣言(11頁)より
https://note.com/bouhikimon/n/nbd360e7316d8?s=09
生きづらい人や、社会に適応できない人ほど、他者に頼ることが出来ない状態に陥っていると言えるのかもしれない。