メンタルトレーニングは、その人「脳」の有効的な使い方を見つけるための作業だ。
自分の「脳」の特徴を知って、それをうまくコントロールすることを学ぶんだ。
各人固有の強みを伸ばし、弱みを克服する。
それは別の言葉にすると「意識」と「無意識」を整えるトレーニングとも言える。
多くのスポーツ選手が、「こころ」と「身体」は完全に一体化されたシステムだということを実際には理解していない。
時に自分の「思考」が、「身体」の動きを邪魔していることを知らないのだ。
例えばプレッシャーに負けてしまう時、「なんとかしなけらば…」という気持ちが自らを追い込み、全てが裏目にでる。
「身体」の機能をコントロールしているのは「無意識」の領域なのに、「意識」が全てを支配していると勘違いして、
「意識的」に「身体」をコントロールしようとして失敗するのだ。
実際には「意識」は「身体」の使い方をそれほどよくわかっていない。
ある日ムカデが散歩していた。
それを見てカエルが興味半分でこう尋ねた。
「ムカデくん、たくさんの足を随分器用に使って歩いているけど、何番目の足が一番最初に動いて、次にどの足がどんなふうに動くんだい?」
すると大変なことが起こった…その質問でムカデは歩けなくなってしまったんだ。
だってそんなこと「意識」して歩いたことがなかったから。
ムカデの「意識」は、自分の歩き方を知らなかったんだ。
そこで、あなたに質問。
右の手のひらを上にして、頭の上に置いて。
そう、その通り。
じゃあ、それはどのようにやったか、言語化して説明して…。
多くの人がそれを言語化できない、だって「意識」はそのやり方を知らないから。
「意識」は私たちが「思考」し「認知」している領域で。
「無意識」の領域はそれ以外のすべてだ。
「無意識」は我々の生命を維持するために、「身体」をコントロールし、不眠不休マルチタスクで働いている。
「無意識」は「意識」がコマンドを入力すると、毎秒A4用紙30枚分の情報にアクセスし「解答」を意識上に上げる。
その膨大な力を利用することが成功への鍵となる。
「意識」と「無意識」を上手に使って「望んだ結果」を手にいれためのプロセスがメンタルトレーニングだ。
執筆者サイト