百匹目の猿という現象を聞いたことありますか?
宮崎県に幸島という島があり、百匹ほどの日本猿が住んでいる島に、
霊長類を研究している研究者たちが、サツマイモの餌づけを試し、
観測をしたことがあるそうです。
泥のついいたままのサツマイモを猿たちは手や腕で汚れを払って食べていたんですが、
あるとき一匹のメス猿が川でサツマイモを洗って食べ始めたそうです。
しばらくすると、若い猿たちや母親猿たちは、このイモ洗い行動を
マネするようになっていきます。
ですが12歳以上のオス猿はマネをすることが無かったんだそうです。
ボス的な立場のオス猿たちは、新しい流れを受け入れられなかった。
猿と人間は似ているなぁ。と感心してしまいました。
あるとき、川の水が枯れてしまうことなどから、猿たちは海水でサツマイモを
洗う習慣が身に付いていったようです。
海水の塩分がサツマイモに味付けをする結果となり、洗っては食べて、
また海水につけて味付けしてサツマイモを食べるように進化していったんですね。
美味しい。ということになると、いつしか頑固なオスの猿たちも
イモ洗いをマネるようになっていきました。
やがて、幸島の猿たちは、みんなサツマイモを海水で洗って食べるように
なっていたとのことです。
さらに不思議なことに、その頃になると、遠く離れた別の島でも猿たちはサツマイモを
洗って食べるようになっていたということです。
とても幸島の猿が泳いで渡れる距離ではない、遠く離れた島でも同じ現象が観測できるようになった。
この現象を、百匹目の猿現象と名付けられ、いろんな学者さんたちが実験と観測を
繰り返しているとのことです。
また、イギリスでは昔、牛乳瓶はアルミで蓋をしていたとのことで、
あるときシジュウカラというカラスがこのアルミの蓋をくちばしでつついて
穴を開けて飲み始めたそうです。
百匹目の猿現象が起こりイギリス全土でシジュウカラが牛乳を飲む現象が
起こってしまいました。
この後、戦争が起こったことで牛乳の配達は数年間行うことができなくなってしまった。
数年の後、戦争が終わり、また牛乳が配達されると、シジュウカラはまた
アルミの蓋をくちばしでつついて牛乳を飲んだそうです。
当時のシジュウカラが生き残っていた可能性は無く、
アルミの蓋をつつけば牛乳が飲めるという情報は、
遺伝的に時間を超えて拡がっていたと考えられ、多くの学者さんたちが
興味を持ったと言われています。
また、世界中の化学実験室で、毎年、千を超える新しい化学物質が合成されている
らしいのですが、最初は極めて結晶しにくいものが、いったん一つの実験室で
成功すると、世界のあちこちの実験室で結晶しやすくなると言われています。
この形になる。という決まりが出来上がることで、形の共鳴が物質界でも
拡がっていくという、不思議な現象が化学の世界でも認めざるを得ないことが
毎日のように起こっているということです。
猿たちのイモ洗い、シジュウカラの牛乳を飲む行動、化学物質の結晶化の共鳴と同じように、
私たちの意識も、ある一定の数が共鳴すれば急速に周囲に影響を及ぼし拡がっていきます。
テレビ番組で、ある絵の中に隠された他の絵を視聴者に見てもらい、番組放送前と放送後で、
番組を見ていない地方の人たちに隠し絵を探してもらう実験をしたところ、
放送後のほうが2倍の人たちに隠し絵を探し当てるとができたという実験結果があります。
また昔から歌われてきた日本の子守歌と、似たように作曲してもらった偽子守歌を
海外の人たちに覚えてもらう実験では、昔から歌われてきた子守歌のほうが
覚えやすかったという実験結果など、ある一定の人たちに共鳴しているもののほうが
拡がりやすく伝わりやすいということが検証されています。
さらに、ヘブライ語を知らない人たちに、本物のヘブライ語と、偽のヘブライ語を
学んでもらった時、当然、本物のヘブライ語のほうが早く覚えられたそうですが、
本物と偽物ということを打ち明けて同じ実験をすると、本物と偽物の覚える確率は
同等になってしまったという実験結果もあるそうです。
これは、意識的より無意識的のほうが、本物を見抜く力が強いといくことの検証となり、
顕在意識より潜在意識でキャッチしたほうが共鳴の可能性は大きいという証明に
なりました。
本物は知るより感じるもの「気付き」が大事だといくことでもありますね
自分一人が意識を変えたって、何にもならない。周囲を変えるなんて出来る訳ない。
大多数の人たちが、このように自分が周囲を変えることを諦めてしまっている意識が、
たくさんの共鳴によって拡がってしまっていることで、一部の指導者に右へ習え!
という個人の主張が通じない世の中になっていることになりませんか?
「周囲の人たちのやり方がおかしい。やり方を変えたほうがいい!」そう感じたなら、
まず自分が実践してみればいいんです。
そのやり方がいいと思って共感してくれる人が集まってくれば、やがて、それまでの、
おかしな習慣は変わっていきます。
新しいやり方や、新しい流れには組織の上に立つ人ほど受け入れられないものです。
受け入れられない人たちが仕組みをつくり、窮屈に縛り付けて支配するような考え方に、
末端は疑問を感じながらも、従っています。
組織を変えるのは、日々現場に出て、いろんな変化を感じて情報を聞いている、
末端に居る人たちだと思いませんか?
現場にも出ず、机上の空論でマニュアル化されたやり方では、移り変わりの激しい現代には時代遅れなやり方となり、業務を妨げ、様々な問題を引き起こしていると思います。
その都度、それを上長に報告しても、的確な指示も無く、問題が悪化しているのが、
いまの組織社会の現状のように感じます。
末端で感じたことを、まず自分から実践してみて、良いと思ったら伝えて行こうとする
意識を、それぞれの人が持つこと、良いと感じたことは羞恥心より好奇心を前に出して、
まずマネしてみること。
そういう気持ちを持った人がある一定に増えていけば、社会全体を変えていける
ということを、百匹の猿という現象が、私たちに教えてくれています。
気付きを大事に、積極的努力をして、良いと思えることを実践していきましょう。