褒めることの大切さが言われて久しいです。
特に、最近の若者は、「打たれ強さがない」「自信がない」「コミュニケーション能力がない」などと言われていますが、そんな時代だからこそ、しっかりと部下が育つ褒め方、認め方を身に付けたいものです。
たとえば、お店であれば、スタッフがキラキラと輝いて、明るく気持ちのよい接客をすれば、顧客満足度は高まり、リピート率も上がり、結果、商売繁盛となります。
そんないい循環を作りたいですよね。
コーチングでは、1対1の関わりを通じて、クライアント(話し手)の、アイデア・やる気・責任感・自発性を引き出していきますが、そこで重要な鍵を握るのが「承認のスキル」です。相手をしっかりと認めることで、自ら動く状態を作り出していくのです。
「承認のスキル」の中でも、特にインパクトが強いのが「認知のスキル」です。
認知とは、「その人の内なる特性に焦点を当てた言葉かけ」のことです。
たとえば、「常に何かを学び取ろうとする姿勢を持っていますね」「いつも相手の立場に立って行動していますね」など、その人の姿勢や価値観を認める言葉かけのことです。
姿勢や価値観を認められた相手は、改めて、自分の大切にしているものに気づくことができ、「もっと大切にしていこう」と思うようになります。
それが、本人のやる気に火をつけることにつながり、自発的な行動へと導いていくのです。
塾の経営者でもある、作家の喜多川泰さんは、著書『手紙屋』の中で、「称号を与える」という言葉を使って、その人の姿勢や価値観を認めることを表現されています。
「先に称号を与えることで、その人は、さらにそうなるように努力するようになる」
ほんの僅かであっても、本人の中にある内なる特性に光を当て、それを伝えていくことで、その特性はますます強くなっていき、さらに、よい方向に伸びていくようになるのです。
まずは、自分から、相手をしっかりと見て、素敵な部分を認める言葉かけをして、お互いに認め合う関係性を作っていってください。